資金ゼロでマンションを買う方法

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資金ゼロでマンションを買う方法
親と子、夫婦の聞では財産をめぐって贈与税が課税されると、問題がおこる可能性が高いです。特に金が動 いたら税金がかかると思っていたほうが無難です。さて、親父さんにマンションを買うだけの資 金があり、息子がその資金でマンションを買ったら完全に贈与税がかかります。徳田二三夫(二十九歳)は結婚して一年近くなります。長男なので親と同居してきましたが、どうも姑と

 嫁との仲がうまくいきません。あまり深刻な問題にならないうちに、なんとかしなければならない と、二三夫は親父さんと二人で相談しました。その結果、どこかにマンションでも買ってしばらく別 居しようということになりました。

 手ごろなマンションが、勤め先からも、親の家からもそう遠くないところにあり、二千三百 万円というのを、二千百五十万円で買うことにしました。二三夫の財産を洗いだしたところ、百五十万円は なんとかなりましたが、大部分の金額に相当する二千万円はどうにもなりなせん。父親に相談したところ、それなら出してやろ うということになりました。

 しかし友人にその話をしたら、「そんなことしたら、君、大変な贈与税を払うことになるぞ」といわれてしまいました。

 税金のことなどあまり知識のない二三夫は、九百六十九万五千円の贈与税がかかるときいてび っくりしたのです。二千万円の約半分が贈与税です。「二千万円もらって、ほんとうに使えるのは約半 分じゃないか、これじゃマンションを買うどころの話ではないな。」

 なにかうまい手はないかと、その友人に知恵を借りました。

 まず、親父さんの親しい関係にある銀行に二千万円を長期の定期預金にしてもらうことにしました。 次に二三夫がその銀行から二千万円を長期の借入金として借入れ、その際の担保として親父さん の定期預金を提供してもらうのです。二三夫の現在の収入からすると、十五年ぐらいかかれば 返済できるでしょう。何年かたてば、給料だっていまのままではないはずだから、もう少し早く返 済できるかもしれません。

 もちろん銀行に利息は払わなければなりません。しかし利息と贈与税を比べると、はるかに利息 のほうが安いため、これなら大丈夫だろうということになりました。

   親父さんの定期預金は、定期預金として銀行に厳然と存在します。息子の立場からすると銀行か ら借金できるという利益の提供を受けただけで、定期預金の贈与を受けたわけではありません。こうい う種類の利益の提供を受けたことについては贈与税をかけるという法律がないため、さらによいこと には、親父さんには定期預金の利子が入り、一方、息子のほうの借入金についても、しっかりし た担保があるので、そう高率の利患を取られることはないでしょう。