重度の障害児には財産を余計に残してやれる

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重度の障害児には財産を余計に残してやれる
 高福祉政策は高くつくといいますが、その福祉政策のあり方によって、高くついてよかったと国民が 納得する政策もあります。重度の特別障害者に対する贈与税の非課税制度が設けられていますが、まだ誰 もがこれを理解し、利用するところまでいっていません。

 自分が死んだあと、どうやって重度の障害児であるこの子は生きてゆくのだろうか、せめて親 である自分が生きている聞に、なんとか生存を全うできるようにしてやって、安心して死んでゆ きたいと思うのが、親たるものの情なのです。

 三千万円の財産を贈与すれば千六百十六万五千円の贈与税がかかります。

 この点をなんとかしなければならないということで生まれたのが、重度の特別障害者に対して 信託受益権を贈与したとき、三千万円までは贈与税の課税価格にいれないということです。つまり、この範囲な ら贈与税はかからないという制度です。

 信託の対象になる財産は、次のとおりです。

 (一)金銭(ニ)有価証券(三)金銭債券(四)立木およびその立木の生立する土地(その立木とともに信託されるものに限る)

 (五)継続的に相当の対価を得て他人に使用させる不動産(貸家だとか地代収入が入る土地などをいう)

 (六)特別障害者扶養信託契約に基づく信託の 受益者である特別障害者の居住の用に供する 不動産(その契約に基づいて、前記付から伺までに掲 げる財産のどれかといっしょに信託されるものに限る)

 このように信託することのできる財産の範 囲は広く、特別障害者を受益者とする特別障 害者扶養契約にもとeついて、その信託契約に かかる財産が信託されればそれで実行できる のです。信託する先は信託会社および信託 業務を兼営する銀行に限られています。委託者 は親に限らず誰でもよいのです。形式要件としては 「障害者非課税信託申告」を税務署長に提出 することです。